パン焼き釜の奥の部屋をのぞかせてもらいました。そこは白熱灯の下 あたり一面 粉だらけの白い空間でした。雑貨屋さん等に卸すためのホブズを手作業で大量に作っています。生地がバスタブ ( のような、ではなくあれはバスタブでした笑 ) に山盛りに入っています。それを切り分ける人、丸める人、平らにのばす人の3人でホブズを成形していました。窯の熱でとても暑い工房。 生地が元気そうでした。パン焼き屋さんの名前は 「 フラン 」 といいます。「 ラ 」 にアクセントをおいて巻き舌で。最初フランス語だと思っていたけれど、どうやら現地の言葉みたいです。路地裏にひっそりあることが多いのですが、薪をどっさり運ぶロバや長い木の台 ( 布をかぶせたパン生地がのっています ) を頭にのせたりして運ぶ人 ( 子供が多いです ) のあとを追うとたいていたどり着けます。
モロッコの旧市街にはパン焼き窯がたくさんあります。ここでは朝早くから雑貨屋さん等で売られるホブズを生地からすべて手作業で大量につくっています。それから各家庭から持ち込まれたホブズやお菓子等も焼いてくれます。ここはご近所のパン焼き屋さん。小さな入り 口から階段を3段くらい降りると薄暗い半地下の空間がひろがります。窯の熱気でむわーんとした中に、コーランを読み上げるテープの声が夢の中みたいに響きます。薪をくべ十分熱くなった窯に、年季の入ったながい木べらで生地が入れられます。おじさんは発酵の様子をみながら順番を決め、準備OKの生地には口にくわえた木の枝で空気穴を2箇所くらい開けてから窯に入れます。生地はぷぷーっと波打つようにふくらんで、みるみるうちにこんがり焼きあがります。ほんの5分くらいでしょうか。その間もおじさんは位置を変えたり裏返したり、熱い窯の前で忙しい。その様子は何度見ていても飽きません。
ひさしぶりのモロッコ。やっぱりおいしいなあと思うのがいつもお世話になっているおうちのホブズです。田舎の畑で収穫した麦の全粒粉と塩と生イーストとぬるま湯だけのシンプルなパン。表面にはふすまがたくさん。麦の味とどっしりした生地の歯ごたえがとってもおいしい◎毎朝朝食のあと、おおきな鉢でホブズをこねます。ここは大家族ですし、パンは食事のときだけではなくおやつのときにも登場するのでかなりの量を作ります。1/3は朝とお昼の間のおやつ用に家のフライパンで焼き、2/3は直径30cmくらいの大きな平らな円形にして、近くのパン焼き釜に持って行き焼いてもらいます。12時くらいに布に包まれて長い板にのったホブズをパン焼き釜のおじさんにおねがいしまーす。と預けて、14時過ぎのお昼ごはんに合せて取りに行くと、ほかのおうちのに混ざってこんがり 焼けておむかえを待っています。家によって粉の種類や表情が違っておもしろい。パン焼き代は一枚10円くらい。布にくるんだまだ 熱々のホブズと空腹をかかえて家にいそぎます。
薪を燃やし、素焼きのお皿でホブズを焼きます。あっというまにぷわっとふくらんで出来上がります。香ばしくておいしい◎ガスもあるけどよくこちらを利用しています。軽い朝ごはんの後、ホブズをこねて焼いてお昼ごはんとの間にそれとお茶をゆっくりいただきます。 in Taroudant, Morocco
このオーブンは町の一般家庭でもよく使われています。火力の調節はガスボンベの栓。扉が閉まれば鉄の箱。とってもシンプル。 in Taroudant, Morocco
元種が完成したのでいよいよホブズ作り。強力粉 400g全粒粉とふすま 100g元種 前日作ったもの全部 ( 200gくらい )塩 小さじ1弱( 元種にも塩が入っているので控えめに )ぬるま湯 300mlくらい10分くらいこねてしっとりなめらかになったらボウルに入れて布をかけて暖かいところで一次発酵。二倍くらいに膨らんだらやさしく取り出していくつかに分け、丸く形を整えて少しベンチタイム。ふすまをふった天板の上でまるく平らに形を整えて、布をかけて暖かいところで1時間くらい二次発酵。予熱した220℃のオーブンで15分ほど焼いて完成*天然酵母特有のすっぱさを感じない、ほんわりした風味のおいしいホブズができました。
元種を作ります。液種をそのまま使うより発酵に安定感が出るので。完成した液種 ( 漉したもの ) 100mlくらい( 残りの液種は冷蔵庫へ2週間くらいもちます。)小麦粉 100gくらい塩 ひとつまみポッテリした状態にしてよくまぜて、ふたをして倍になるまで半日ほど待ちます。
朝パンを焼きたいので夜 元種をつくり暖かいところに置いておきました。翌朝ブクブク大きな泡が出て倍にふくらみパンを焼く準備は万端です。
デーツが全部浮いて、水の色も濃くなり泡もたくさんでています。ふたを開けると プシュッ!と音がして果物が発酵したときのアルコールのいい香りがします。とても元気な液種ができたようなのでこのままでもパンを焼くのに使えそうですが、明日これでパンをこねる前段階の元種を作ります。デーツはとても勢いよく発酵してくれましたが、季節の果物やほかの材料のときはものによって、また季節や温度によって一週間ぐらいかかることもあります。香りや音や目で様子をみながら 変化を楽しめるのが天然酵母のおもしろいところです。
沈んでいたデーツが少し浮いてきて水面に泡が出てきました。ふたに耳を近づけてみるとキュー・・ ピリ ピリ ピリ ・・と酵母菌が生きている音が聞こえます。よかった 元気です。
日本に帰ってきてからモロッコでよく食べたドライフルーツ「 デーツ 」( = ツマル ) で天然酵母を起こしてみました。うまく起こせたらそれでホブズを焼いてみようと思います。デーツ 100gくらい水 500mlくらい密閉できるビンに入れ暖かいところに置きます。モロッコでは家庭でホブズを作るときは市販の生イースト ( = ハメラ ) を使っているのをよく目にしましたが、いなかのほうではレーズンなどを使って天然酵母 ( = ハメラ ・ベルディーヤ ) を起こしていたり昔はそうしていたという話を聞きました。